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パススルー証券だ。
たとえば、総額1億ドル、平均金利6パーセントのモーゲージで構成されるトラストが、受け取る元利の1パーセントに対する権利を示す証券を発行した場合、この証券を購入した投資家は、トラストが受け取る利子(年に600万ドルからデフォルトと元本償還による減少分を差し引いた額)と返済された元本の総額のうち1パーセントを、モーゲージがすべて返済されるまで受け取る。
大手の投資家がモーゲージ・パススルー証券に完全に満足することはなかった。
ひとつの問題は、機関投資家の多くで投資意欲がバーベル型になっていることだ。
つまり、リスク特性でみて両極端の部分に投資することを望み、資金の多くをきわめて安全な金融商品に投資し、それより少ない金額を高リスクで高リターンの金融商品に投資する傾向がある。
モーゲージ証券は両者の中間にあり、きわめて安全なトルプルA格の債券だけを買う投資家に適しているわけではないし、高利回りの投資対象を求める投資家が興奮するほどリターンが高いわけでもない。
それに、モーゲージ証券は毎月支払いがある点で厄介であり(債券の大部分は、利払いが年2回である)、満期が不確かだという問題もある。
金利が下がると、住宅所有者が借り換えに殺到して既存のローンを期限前に返済するし、金利が上昇するといつまでも借りつづける。
満期が予想外に変動して、投資家が打撃を受けることがある。
問題のほとんどが、CMO(モーゲージ担保債務証書)の登場で解決されている。
これは1983年に、R・Fらのファースト・ボストンのチームがFMのために開発した金融商品である。
モーゲージをトラストに移す点ではパススルー証券と同じだが、つぎにこれらのモーゲージに対する権利を水平に3つの部分に切り分ける。
各部分をトランシェまたはクラスと呼ぶ。
それぞれのクラスごとに証券を発行する。
最上位クラスは、たとえば発行した証券の総額の70パーセントを占め、トラストのキャッシュフローの全体に対して、第1順位の請求権をもつ。
通常であれば、モーゲージのポートフォリオのうち30パーセントがデフォルト(債務不履行)を起こすとは考えられないので、最上位クラスの証券はトリプルA格の格付けを取得する。
格付け会社からきわめて安全だというお墨付きを得られたのだから、それに見合って利回りが低くなる。
第2のクラスはたとえば全体の20パーセントを占め、若干高い利回りで発行される。
3番目のクラスは最後の10パーセントであり、損失をまず吸収する。
だが、上位の2つのクラスで節約できた利回りも得られる。
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